醸造方法
驚きの自然派ロゼのドゥエロ。
標高800~900mドゥエロ川の恩恵とドゥエロの典型的晩成の葡萄。100%手で収穫。
ビオデナミック認定のデメテールは2015年に承認された。
ダイレクトプレスされたワインは、数秒後、皮と分かれ、液体だけになった頃には、既にピンク色でセニエ法とも言い難いロゼ。
ステンレス内低温発酵、マロラクティック発酵は行わず、3ヵ月間樽で熟成される。
自然酵母、オーガニック認定、デメテール認定、無濾過ノンフィルター。
糖分:0.1g、 グラス1杯の糖分:0.015gとほぼ無糖
総SO2量32.25mgとほぼ無添加ワインと同等
ワイン情報
ドゥエロのデメテール自然派ロゼ。
強烈なタンニンを持つドゥエロの影を感じさせる深い味わい。
野イチゴやすもも等のチャーミングなアロマ、フレッシュでフルーティーで余韻が普通のロゼよりも力強く、飲み口にまろやかさと丸みがある。
しかしながら、ドゥエロで、デメテール認定の柔らかいロゼがある事にも驚きだが、もっとも驚異的なのは甘さだ。
日本の厚生省が認可している公的検査機関での分析データではグルコース+フルクトース(つまり砂糖、糖分)が750ml中0.1gしかない糖分なのに、一口飲むと感じる確実な甘み。
これがワインの七不思議で、糖分が無いのに甘く感じるワインはよくある事だが、このロゼは解りやすすぎる。
親しみやすく、時、場所、相手も選ばないダイエタリーロゼ。
生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)
トレミラノス・エステートは、リベラ・デ・ドゥエロの中心部、アランダ・デ・ドゥエロの郊外に位置する。
フィンカ・トレミラノスは、1903年にカリクスト・セイハスによって設立された。
1975年には、パブロ・ペナルバ・ロペスがこのエステート(60ヘクタールの素晴らしい古木)を購入し、すぐに改築を行った。
1980年頃からリベラ・デル・ドゥエロは絶頂期を迎える。
1980年に、この地にあったワイナリーは、わずかに12件。ベガ・シシリアも、トレミラノスも、その内の1件である。
1981年にセント・ポール大聖堂で行われたチャールズ皇太子とダイアナの結婚祝賀パーティではベガ・シシリア社のワインが使用された。
1980年代にはアレハンドロ・フェルナンデスが設立したペスケラ社の赤ワインが、国際的なワイン評論家であるロバート・パーカーにより100点満点の評価がなされ、ルエダD.Oより2年遅れで、1982年に原産地呼称のD.Oが与えられた。
デキャンタ誌によって、最高格付けD.O.Caへの準備に入ったと報道されるなど、※誤報
世界中が、スペインの次のD.O.Caは間違いなく、リベラ・デル・ドゥエロだと話題になっていった。
ワイン生産の大手企業は、こぞってリベラ・デル・ドゥエロへのワイナリーの進出を果たしていった。
2000年にはワイナリーの数は100件を超え現在は270件を超える。
ワイン業界で、最も一大ブームを巻き起こした、DOだ。
2010年までは、まさに黄金期の絶頂期。
リベラ・デル・ドゥエロのワインは高く売れ、その高額さはリオハDOCaを遥かに超えて行った。
トレミラノスも畑を買い増しを続け、今では200haもの葡萄畑を所有するまでに成長した。
ドゥエロ全体が浮かれた時代でもある。
リベラ・デル・ドゥエロはスペイン国内では、肉ワインとして幅広く認識されている。
肉を食べるならドゥエロだ! ドゥエロワインは肉ワインの代名詞となっていた。
テンプラニーリョの語源である「早生」とは程遠いテンプラニーリョ、ここだけの葡萄名ティンタ・デル・バイスは、10月の中旬頃ようやく収穫をする、明らかな晩成のテンプラニーリョはラ・マンチャなどで見る、テンプラニーリョとは全くの別物。
葡萄から放たれる後光の様な光、一粒一粒が荘厳で、凛々しい葡萄に何度感動したことだろう。
熟度と共に感じる甘み、濃淳でタニックな味わいは、伊達に高級DOと言わしめて来たわけではない本物。
タニックなワインを好んだと言われるロバート・パーカーが100点満点を付けるだろう至福の力のあるボディ。
今でも肉ワインは?と聞かれれば、私は、迷いなくドゥエロだと答える。
2000年、DOCaはプリオラートに先を越される。
世界的にワインの趣向も、ヘビーな力強いワインからエレガントで食も進み、お腹が膨れないワインがもてはやされていく、時代に入っていく。
トレミラノスの凄いところはここから始まる。
1988年から225Lのフレンチオーク、アメリカンオークを手作りの自社生産に切り替えた。
2010年までに200ヘクタール全ての畑を有機に大転換し、2015年には全ての畑でエコサートオーガニックとビオデナミック、デメテールの認証を得た。
トラクターや機械で収穫していたものを、馬を使い耕し、人の手により100%の収穫、完全なる有機栽培、忠実なビオデナミック農法に一気に切り替えた。
バイオダイナミックは、有機栽培の一歩先を行くもの。
生態系のバランスを常に追求し、生物多様性を尊重することで、生命の飲み物に近づけてくれるステップ。
化学肥料、除草剤、殺菌剤を使用せず、自然由来の成分のみを使用している。
土地そのものを大切にしなければ、その土地の本質を捉えたワインはできないからだ。
という、本質であり、先進的な考えを貫いた為だ。
1980年代になり、いきなり世界の注目の的となり、シンデレラ化していったドゥエロワインも、実は1903年前後ではクラレテというワインが主流だった。
クラレテは、ボルドーで言うクレレ、薄い赤ワインを指す。
それが、現代のタニックなワインへと劇的な転身をしていった歴史がある。
リベラ・デル・ドゥエロの古来のスタイルはエレガントな赤ワインだった。
トレミラノスは、未来を見つめる、と言うよりは、リベラ・デル・ドゥエロの本質や根本、古い歴史を見つめているのかも知れない。
リベラ・デル・ドゥエロの歴史は2500年前と言われている。
ドウロ川に通じるドゥエロ川、圧倒的な標高、800m~1100m、夏と冬、夜と昼の激しい寒暖差、シルト層を含む石灰石土壌。
晩成で菌に強く、日照と水捌けに恵まれたテロワール。
間違いなく、葡萄は糖度、熟度の高い葡萄が生れる産地。
現経営者、リカルド・ペナルバ氏(エノロジスト)とビセンテ・ペナルバ氏(農業エンジニア)の下、ドゥエロの古くからの住人として、
全て地元だけのものでワインを作ろうとする自然づくり100%この地で自分が作った葡萄で、酵母も自然酵母で、自発的発酵を重んじ、樽すら手作り、添加物は使わない。
そんなワインこそが本物のリベラ・デル・ドゥエロワインと考えているようだ。
リベラ・デル・ドゥエロ内では、間違いなく、自然派の第一人者であり、最もクラシックで、最も先端のワイナリーだ。
(インポーター様資料より)