醸造方法
樹齢25年
除梗した後、足で優しく破砕、木製樽にて60日間のマセラシオン。
その後ステンレスタンクで6ヶ月熟成。
5回のスーティラージュ。
SO2無添加。
ワイン情報
これが果たして、本当に造りたてのカベルネ・フランだろうか?
ワイン名の通り、口の中にほどけるように柔らかく広がるタンニンと果実は、どこまでもピュア。
「ピュア・ブルトン」とは「混じりっけの無いカベルネ・フラン」という意味。
2020年は発酵がスムーズに進んだ素晴らしいVTで見事な仕上がりに。
前回VTと違い、木製樽で醸しをたことで、しっとりとした色気と黒果実、ほどよいスパイシーさに。
なにより心地よく染み渡るこのワインの一体感に酔いしれてほしい!
生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)
職人気質な自然派ワインの先駆者!
1960年生まれのオリヴィエ・クザンの夢はもっぱらヨットでの無寄港世界一周。
大西洋はすでに制覇していた。84年25歳の時に祖母が亡くなり、すっかり消沈した祖父を見かねて、ヨットに見切りをつけ、祖父が所有していたぶどう畑でのワイン造りを受け継いだ。
そんな彼の畑は、アンジェから南に約20Kmのアンジュ地区に位置する。
この辺りはレイヨン川をはじめ多数の小川が流れ、穏やかな起伏ながらも非常に入り組んだ小渓谷が連なり、緑豊かな山々が多い風光明媚な地域となっている。
祖父の代から一切除草剤など使用したことがなく、そのまま自然な農法を続ける。
その経験を活かしつつ、究極のぶどう栽培&醸造をしようと1987年に独立。
1996年には、当時としては目新しいビオロジックの認定「カリテ・フランス」を取得する。
当時は「ビオ」に注目する栽培家は少なかった時代であり、早くから実践した一人である。
醸造学校にも通ったが、「何も学ぶことはなかった!」と、マルク・アンジェリやクルトワなど自然派の仲間たちと意見交換をしながら、独自のワイン造りに情熱を燃やす。
カベルネ・フラン、シュナン・ブランなどの地元品種を最も大切に考える。
●ワイン造りのポリシー
2002年には「ビオディナミ」に移行し、
「自然を尊重して育てたぶどう」、「人が技術的に仲介しない醸造」
をポリシーに、ボルドー液とイラクサなど薬草の煎じ薬で病気予防をする他は、除草剤や化学肥料などを一切使わない栽培を貫く。
オリヴィエ氏曰く、「ワインとは2000年、いやそれよりもっと古くから造られてきた飲み物である。
ぶどうを手で摘み、ただ自然に任せてワインを造ってきた。
補糖をしないし酵素も使わない発酵によって、土壌とぶどうの風味がはっきりと現れるワインができあがっていた。
昔と同じ農業をすれば、醸造技術や醸造コンサルティングは必要ない。」とのこと。
彼のこのポリシーは今も全くブレることがない。
早くから自然栽培をしながらも当初あまり有名にならなかったのは、人前に出たがらない人柄とともに、別段変わったワイン造りをしているのではない、という職人気質なところが強い由縁。
●馬によるぶどう栽培
祖父が使用していた馬の農機具もそのまま残っていたため、2000年からは100%馬で耕している。
また、ドメーヌ・サンソニエールらと共に馬を使った農作業を行う、「トラクション・アニマル」を立ち上げた。
トラクターだと、耕したようでも機械の重量とエンジンの振動で、長い目で見れば土が固められてしまうのだ。
また、畑の土を押し固めないことにより、土中の自然酵母を十分に発育させることができる。
もう一つ重要なのは、自然環境を重んじたぶどう栽培は、馬で耕すスピードが丁度いいということ。
自らの足で土を踏みしめ、ぶどう樹の状態を観察しながら作業をする。
ゆっくりそして視線が低いから、トラクターに乗っていては到底気づかない細かな部分までぶどうの成長が把握できるようだ。ちなみに馬は5頭保有している。
●自然派ならぬ野生派
そんな表現がぴったりくるオリヴィエ・クザン。
畑の中でガチョウを飼い、“アイガモ農法”ならぬ“ガチョウ農法”を始めるなど、貪欲なまでに自然であることを追及している。
また、調理のためのお湯は、太陽熱で沸かし、自家用車は何と自分でひまわり油を精製してエネルギーとしているのだ。
そんな彼が、以前蔵を訪問した際に興味深い話をしてくれた。
「ボルドーが20ユーロで出来るワインなら自分は12ユーロで出来る。
ボルドーの人間は余分な8ユーロで家や高級車を買うんだ。
自分はワイン造りのコストと手伝ってくれた従業員全てに還元する。
余分な儲けはいらないんだ。」
(インポーター様資料より)