ワイン情報
モンペリエのネゴシアンが供給する無農薬ブドウ且つSO2無添加でこの価格、環境保全と生物多様性の象徴でもあるハリネズミをラベルに冠しました。
18ヴィンテージが、ワイン専門誌「リアルワインガイド」第72号にて旨安大賞を受賞しました。
甘く華やかでトロピカルで厚みのある香り、黄リンゴの爽やかな果実味に心地よい苦み、すっきりとしたラムネやレモンの酸が心地よく余韻に続きます。
今回のヴィンテージも美味しいです。
ワイン専門誌「リアルワインガイド」にて、エリソン・マラン シャルドネ ブラン(白)が、旨安大賞を受賞した、ハリネズミのエチケットでおなじみ、コスパ抜群のナチュラルワインです。
酸化防止剤無添加キュヴェですが、ネガティブなく、非常に取り扱い易いです。
19ヴィンテージ以来の久しぶりの入荷となりました。
ただ、このヴィンテージをもって、このキュヴェの生産はございません。
このサンスフルキュヴェを生産してくれた、醸造責任者が退職した為です。
これでラストヴィンテージになる予定です。
生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)
ラングドックのモンペリエに位置するネゴシアン、AVEC Jでこういうタイプのワインを選ぶのは初めてです。
オーナーのJacques Frelinジャック・フレラン氏はモンペリエ生まれ。
お父様がブドウ畑を持っていましたが、この辺りの醸造家と同じくブドウを栽培してカーブコペラティフに売っておりました。
彼がブドウ畑を受け継ぎ、折角ならワインを造ろう!と少量で始めたらそれが軌道に乗り、ブドウが足りなくなったのです。
そこで自社ブドウに拘らず、同じ無農薬のブドウを周りから買い、ネゴシアンに変更しました。
少しずつ増やしていきましたが、需要の方が追い付かず、どんどん生産量が増えました。
無農薬のブドウを探し、買い付けるのはとても難しいのです。
ジャックは自分自身が無農薬の生産者で栽培のスペシャリストだったことと、地元生まれなので沢山の知人がおりました。
そして彼自身周りの人にとても信用があったので、生産者も同じ売るなら協同組合ではなく、ジャックに売ろう!と、彼の所にどんどんラングドックの質の良いブドウが集まったのです。 仕事量が増え、会社がどんどん大きくなるにつれ自分達で造るには限界が出てきました。
そこで彼の会社はブドウを探し、醸造は別の会社に頼み、瓶詰めとストック管理も別会社に委託するという新しいスタイルに変えました。
それは結果経費の無駄を減らし、低料金・高品質の商品をお客様に提供出来るからです。
こういう形態のネゴシアンは沢山存在しておりますが、ジャックの場合は自分が生産者だったので、同じネゴシアンでも1から10まで把握しているため仕事の質が違います。
ですから委託醸造でも結果は彼が醸造しているのと同じレベルな程綿密にスケジューリング・管理を行っております。
ですので今まで、こういうネゴシアンタイプのワインは選ばなかった私が値段と質のバランスの良い、カジュアル価格帯のコスパの良いワインとして選びました。
彼の会社は男性も女性も国籍も全く関係なく、実力主義です。
まずワインを造っている責任者は女性、それもチリからフランスに来たオノロジストです。
彼女の名はPaula Godoy、1975年8月19日生まれ。
チリの大学で醸造学を勉強し、チリのワイナリーに勤務しておりました。
そして勉強のため、収穫時期の違うカルフォルニア・ソノマに2001年に醸造をしていた時に今のご主人に出会います。
彼はフランス人の同じオノロジスト、2人は結婚して2006年~フランスに移住を決意。今は別々の南仏のワイナリーで働いております。
女性で大きなワイナリーの責任者のポジションに就任するのは大変です。
パウラは経験・知識は本当に豊富で、体は小さいが持ち前の根性と感性でジャック達のワインを1人で切り盛りしております。
他のスタッフは男性だらけ、色々大変な事もあるでしょうが、とても明るい性格なので跳ね返すのでしょう。
彼女は現在醸造をしっかり身につけているので、どんなワインも造る事が出来ます。
ただ完全なナチュラルワインにはどうしても彼女は納得しておりません。
それはオノロジストの宿命、リスクは取りたくない、そして安定した健全な問題の無いワインを造るのが彼女の使命だからです。
ですので時にはビオの酵母菌を添加したり、SO2を使用します。
しかしオーナーのジャックは無農薬のブドウで、出来るだけ自然に近い味わいを求めパウラと色々話し合い、今の形が出来上がりました。
これはジャックとパウラだから出来た事です。普通この品質を、これだけの大きなインフラレベルでは出来ません。
まずここの収穫は機械で行います。
手で収穫すると、その経費はワイン代金に跳ね返るからです。
そのため、収穫は温度の低い夜中の2時~8時の間に行います。
そして全部のブドウは集まった白とロゼはどんどんプレスを始め、その日のお昼にはプレスが完了しております。
そのスピード感でワインを健全にプレスします。
そして250hlの大きなタンクに入れ、温度を5度に下げ、24時間そのままにします。
翌日上澄みの部分を他のタンクに移し替え、max15度の温度にコントロールして発酵を促進させます。
安全に発酵を促進させるため、ビオの酵母菌を添加します。結果、発酵・熟成は短期間で行い、その後低温管理します。
普通、こういう現代醸造を行う時は必ずSO2を添加します。しかし入れずに行うため、非常に気を使います。
赤ワインは収穫後、半分エグラッペをしてタンクで65度迄温度を上げます。
それは発酵を早く行い、後のマロラティックも起こりやすくするためです。
タンニンの抽出度、色合いや渋みの抽出度によりけりですが大体4~12時間と幅が広いです。
一度温度を上げすぐにプレス、そしてビオの酵母菌を入れて発酵させます。
発酵からマロまで1週間で終了します。 残りの半分は伝統的な造りをします。
収穫後エグラッペして、ビオの酵母菌を添加してタンクで約7日間発酵、そのまま1ヶ月マロラティックをします。
そしてこの2つを最後はブレンドして味わいを調整します。
考えてみるとある意味合理的なリスク回避管理醸造かもしれません。
このワイナリーは今まで私が選んだ完全ナチュラルワインとは違うコンセプトです。
無農薬のブドウで、SO2を入れずに低価格で安全に事故無く大量生産するための醸造方法です。
小さなワイナリーで拘っている造りとは違いますが、私は同じワインを造る者として、この価格でよく頑張っていると思います。
そのため、瓶詰めやワイン保管等々、効率良く経費を抑えております。
自分の会社で出来る部分、他社に委託する効率がいい部分、その両方をよくよく研究しております。
この環境下でSO2無しのワインを造れ!と私に言われても無理かもしれません。
(2018.8.30 第二回目訪問 新井順子)
(インポーター様資料より)