醸造方法
9月10日収穫
除梗し、4日間醸し
ステンレスタンクで発酵
糖が残った状態で2021年9月30日瓶詰め
12ヶ月間瓶内発酵・熟成
無濾過・無清澄
SO2無添加 トータル:10mg/L未満
ガス圧:2.83気圧
ワイン情報
ファセレとはカタルーニャで北風を意味するスラングでこの風が畑をミルデューなどから守ってくれます。
石灰・赤粘土土壌で育つマカベオを除梗し醸し後プレス、ステンレスタンクで発酵、糖が残った状態で瓶詰めし、瓶内発酵・熟成しました。
黄金色、ビワや洋梨、マンダリンオレンジの香り、口中で厚みを増すラフランスの味わいのエキスが余韻に漂います。
生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)
DOコンカデバルベラの女性醸造家エヴァが営むヴェガ・アイシャーラ、ワイナリー名の由来は彼女の父の姓(Vega)と母の姓(Aixalà)を合わせたものです。
カタルーニャのナチュラルワインの第一人者といえば、タラゴナのメンダール、DOコンカデバルベラのエスコーダ、ジョルディロレンス等の名前があがってくると思います。
彼女との出会いはそんなメンダール、エスコーダが音頭をとって毎年夏に開催されていますサロンH2O(Vegetal)での2017年。
ジョルディロレンスのブースを訪ねて色々話を伺っていると『彼女のワインも飲んでみてよ。一緒に白のマグナム限定キュヴェも造っているんだ』と隣のブースを勧めてくれた事がきっかけでした。
翌年2018年6月、初めてのボデガ訪問。
道中、どこまで登って行くんだ?というぐらい山道を上り続け到着した村は、斜面に無理やり造ったような、人が一切歩いていない、静かな静かな小さな小さな山村。
ドアをノックして出てきた彼女は、恥ずかしそうに微笑み『まさか本当に日本からきてくれるなんて!』と、訪問を本当に喜んでくれました。
まずは彼女のトラックに乗り込み畑をまわったのですが、その景観の美しさに目を奪われ、静けさに感動し、スレート土壌を開墾した彼女たちの努力に感嘆したのでした。
ボデガの歴史は2003年から始まります。
かつて祖父がワイン造りを行っていた土地、そこは長年の間放置されていたのですが、エヴァと彼女の父ホセの二人はこの土地でブドウ造りを復活させる決心をします。
そこはエヴァが幼少時育った場所であり、かつては伝統的な製法で祖父がワインを造っていた土地、二人にとってはこの土地を守ること、ブドウ栽培・ワイン造りを復活させることは長年の夢なのでした。
もちろん彼女たちはこの土地がブドウ栽培にとってスペシャルな土地だという事もよく理解していました。
しかしその実現は非常に困難を伴うものでした。
ボデガの復活はまず標高850~ 900mの急勾配斜面を開墾して800本のブドウの苗を植樹するところから始まります。
2004年にはさらに1000本植樹、2006年までの3年間でとても人が開墾できるとは思えないこの山頂の荒野を開墾して徐々に現在の10haの畑をつくっていきます。
今では美しい景観をバックにすり鉢・テラス状に整備されております。もちろん初年度2003年からビオロジック栽培を貫いております。
コンカデバルベラの平野部とプリオラートのちょうど間、モンサン山脈の標高850~ 900mの急勾配にブドウは植樹されており、直線距離7km先は銘醸地プリオラートです。
土壌はそのプリオラートと同じネラル豊富なスレート土壌(粘板岩)。
この地で稀少な雨はスレートを伝って地中深く落ち、ブドウの根はわずかな水分と養分を求めて深く伸びるため、独特のミネラル、凝縮感があるワインができます。
また、反射作用も強く、光合成やブドウの成熟に大変良い効果をもたらしてくれます。
高標高に加えて、気候は大陸性気候で年間を通して雨が非常に少なく(平均約330ml/年)、四方を山に囲まれているので乾いた風が吹きます。
ベト病の心配がない素晴らしい立地です。
さらに昼と夜の寒暖差は非常に大きく(例年、夏は最高33度、最低は15~18度)、酸を残しながらゆっくりとブドウが熟し実っていきます。
彼女のワイン達は全て“エマ”という彼女の娘の名前を冠したワイン達です。
10haの畑がありますのでキュヴェ数は実は10種類を超えるのですが、このエマシリーズは、清澄・濾過・亜硫酸添加を一切行わいないフランスでいうところのヴァンナチュールスタイルです。
白はマセラシオン、赤はアンフォラで熟成させる拘りも持ち、素直で美しい果実味、しなやかな酸に柔らかなミネラルが特徴的です。
偉大なテロワールと繊細、真摯かつ膨大な努力が生んだ彼女のワイン。
ブルタルやジャメ、グラスカといったバルセロナのモダンなワインバーやレストランで、この夏非常に多くの彼女のワインが愛用されているのを見ると、壮観な畑の景色と親子の充実した笑顔が思い出されます。
(インポーター様資料より)