醸造方法
手摘みの葡萄を使用。
一部は除梗、一部は全房にてプレス、旧樽にて自然発酵。
全ての澱と共に4カ月間、細かい澱と共に2カ月間、ヴィンテージによって最大3年間熟成。
無清澄、無濾過、ボトリング時のみ15mgの硫黄を使用。
元々ブレンドして寝かせていたワイン(2017~2019ブレンド)20%に2021年60%、2020年20%を継ぎ足し、少し寝かせてボトリング。
ワイン情報
薄濁りのある明るいイエロー色。カットしたリンゴ、煮詰めたリンゴ、マリーゴールドやハーブのアロマ、そして、蜜や金木犀のほのかなニュアンス。
酸味が強く、ドライで、しっかりとしたストラクチャー。
和柑橘や熟したリンゴの味わい、生き生きとした酸と少しの塩味。
glücklichはドイツ語で“happy”という意味で、幸せの意味を込めて、商品名をgluegglichとしました。
19世紀の昔ながらの伝統と今日の知識を組み合わせ造られたライトオレンジワインです。
生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)
フレッド・ロイマー醸造所はオーストリアのニーダーエスタライヒ州にあり、ウィーンから車で北西に1 時間走ったところにあります。
パノニアからの熱風の影響で夏は35度以上になりますが、カンプ川に沿って北から冷気も来るので、同時にとても寒くなる、寒暖差の大きなエリアです。
全体的に風通しがよく、病害やボトリティスの影響が小さく、そのため、ワインはフレッシュでクリアな風味になりやすいのが特徴です。
フレッド・ロイマーはワイン生産者の家族の下に生まれました。
彼の父が1962年に祖父からファミリーの農場を引き継ぎ、その頃はまだ、鶏や牛、野菜などを作る傍ら、ワイン造りをしていました。
しかし、徐々にワイン生産だけに集中していくようになります。
ロイマーは、学校を卒業してから、ドイツやカリフォルニアのブドウ園で修業し、1987年に父親のワイナリーで働きはじめます。
1997年、ロイマーがようやくワイナリーを引き継ぎ、今までのファミリーのワイン生産のフィロソフィーを変化させます。
それまでは、凝縮感があり、アルコール度が高めのワインが主流でしたが、1998年ボトリティスが大量に発生したことをきっかけに、ロイマーは、状態のよい果実のみを選果し、収穫を早める昔ながらのワイン造り、それは、アルコールが低く、フレッシュさがあり、フルーティーでミネラルがあるワイン造りに切り替えたのです。
このスタイルのワインを造るためには、クリーンな果実が必要になります。
ロイマーと彼の父が始めた14ヘクタールの畑は、いまでは60ヘクタールまで増えています。
「犠牲なき持続可能性」、これこそが、フレッド・ロイマーのフィロソフィーです。
ワインは楽しみであるからこそ、それを造る人間は、生きることを心から楽しみ、そして多くのことに関心をもって熱心に学ばなければならないと言います。
何事にも妥協を許さず、常にハングリー精神を持って取り組むロイマーがクオリティマニアと呼ばれる所以がここにあります。
フレッド・ロイマーの目指しているワインは、ワインの糖度やエキスの濃縮だけを重視するのではなく、ブドウの生理学的成熟を重視し、ブドウ本来のアロマに満ち、テロワールの特徴を最大限に引き出したスタイリッシュなワインです。
そして、ブドウの育つ環境の理想は、昔ながらのブドウ栽培の風景を再現すること。
昔の人たちはブドウを栽培するだけでなく、その隣で家畜を飼い、野菜など様々な植物も育てていました。
そして、科学の発達した現代、効率ばかりが求められますが、ロイマーは、あえて昔のやり方にすることで、ブドウの可能性を最大限に引き出そうとしているのです。
ロイマー醸造所の地下には、ハインドルフ城にあったセラーを復元したものがあります。
このセラーは、19世紀のアーチ状レンガセラーで、バロックスタイル。
その上にはテイスティングルーム兼オフィスがあるブラックボックスが建てられています。
この建物は、ワインのボトルのように、最初は密閉されたように見えますが、ドアが開くとそこには素晴らしい、ピュアな世界が広がります。
現代美術館のようなこの建物と地下セラーの対比は、伝統とモダン。
そこには、ワインというものが伝統的なルーツを持ち、しかし一方でいつも進化し続けなくてはいけない、色々なものに影響されながら、日々少しずつ変わっていかなくてはいけないものである、という意味も込められているのです。
ロイマーは、全てのワインを自社葡萄にて生産しています。
カンプタールとテルメンギオンに畑を所有し、カンプタールの土壌はレスという『黄土』に多く覆われ、たった数百年の若さでしかありません。
つまり、他の地域の土壌はそれよりももっと古い。
母岩は、基本的に原生岩、特に片麻岩であり、ハイリゲンシュタインだけは特別に、ペルム紀の砂岩主体のコングロマリットになっています。
斜面下部などでは、レスや砂利、ロームの影響もでてきます。
テルメンレギオンはウィーンからバーデンを通過し、南へと向かう電車路線名にちなみ、‘ズュートバーン’としても知られています。
ブドウ栽培地域はウィーンの真南にあり、古くからワイン造りをしています。
グンポルツキルヒェン周辺の畑は Eichkogel や Anninger の東や南向きの斜面にあり、ブルゴーニュの風景を思い起こさせてくれます。
事実、土壌の組成を見てみると石灰土壌が多く、このことからもブルゴーニュと非常によく似ていることがわかります。
まさにシャルドネやピノ・ノワールにとって最適なテロワー ルであり、この地域を見直す動きもでているのですが、グンポルツキルヒェンのローカルカラーはツィアファンドラーやロートギプフラーといった地場品種のキャラクターが強いのです。
このユニークなブドウ品種は地元だけでなく、国際的にも評価が高く、その価値を高めています。
ロイマーのワインは全てビオディナミ農法にて造られています。
全てのワインに認証を取っている訳ではありませんが、Respektという認証を取得しています。
Respektとは、2007年にフレッド・ロイマーが中心となり設立。
現在オーストリアを始め、ハンガリーやアルト・アディジェなど15のワイナリーがリスペクトメンバーとして活動しています。
リスペクトは、みんなが一丸となってより多くのことを達成できる場所。
お互いに学び合うため、お互いに教育し合うため、そしてサポートしあうための団体です。
Respektは、ルドルフ・シュタイナーの考え方を基にしながら、それと同時に理論や実践では独立的で効果的に活動しています。
加えてオープンでフレンドリー、そして専門的なことがやりとりできるような志を同じくする人を探しています。
同じような認証団体にデメターがありますが、デメターは全ての農産物を認証する一方で、リスペクトはワインのみの認証団体ということになります。
(インポーター様資料より)