Rompecepas / ロンペセパス 2019

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醸造方法

8月24日収穫
除梗後、古樽とステンレスタンクで3週間醸し
水平式圧搾後、4~5日に1度ピジャージュしながら発酵古樽でマロラクティック発酵・熟成
濾過あり・無清澄
瓶詰め:2021年6月3日
SO2収穫時:30mg/L熟成中:20mg/L 瓶詰め時:10mg/Lトータル:40mg/L

ワイン情報

キュヴェ名は天才醸造家マルク・イサールの地元マドリッドとチンチョンを繋いでいた電車の名前で走行中に電車を下車しブドウ畑のブドウをつまみ食いし電車に再び戻る程ゆっくり走る電車でした。
ティントフィノ(テンプラニーリョ)を醸し・発酵、古樽で発酵・熟成しました。
濃いガーネット色、ブルーベリーやフランボワーズ、木材の香り、強いアタックにコクが拡がる心地良い仕上がりです。

生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)

DOヴィノス・デ・マドリッド西部のグレドスに拠を置き世界的にも注目を浴びるスターワイナリー”コマンドG”。
ヒメネス・ランディとフェルナンド・ガルシアと共に、もう一人の重要メンバーだったのが実は今回ご紹介します天才醸造家マルク・イサールです。
コマンドGやボデガ・マラニョネスは、マドリッド西部グレドスに拠点があり、畑は花崗岩、砂質、砂利質土壌でガルナッチャにフォーカスしています。
一方、今回ご紹介しますマルク・イサールはマドリッド南東部のサブゾーン/アルガンダの農村復興を志しプロジェクトを興し、石灰質・粘土質土壌で地元のマルヴァール(白)、テンプラニーリョの復活を志しています。
カタルーニャ出身のイサール一家は、新天地を求めてかつてマドリッドに移り住みました。
マルクも家計を助けるために13歳から学業とアルバイトを両立させて家族を支えてきました。
大学でもアルバイトを継続しながら醸造学を専攻し、仲良くなったクラスメイトの実家のワイナリー Oruscoでアルバイトを始める幸運に出会い、そこでテキストに記載されたセオリーだけではない「本当のワイン造り」を覚えていきます。
卒業後もそのままOruscoで仕事を続けますが、それを足掛かりに様々なワイナリーで仕事を見つけて醸造の仕事を行ってきました。
その中でも最も有名なのが先述したコマンドGです。
後述する自身のプロジェクト(ラ・マルディシオン)とは別に、現在でも“ベルナベレバ”でコンサルタントを、“ペガソ”ではプロジェクト・マネージャーと醸造を担当。
ペガソは、スペインでも5本の指に入るくらい有名なワインメーカー、テルモ・ロドリゲスが始めたグレドスにあるワイナリーで、ここでもとても大きなプロジェクトを任されています。
20代で醸造学の勉強を始め、様々なセラーに入って経験を積んでいき、今では他の醸造家からも”天才”と呼ばれ、マドリッドでは一目置かれる存在ですが、畑を持たず、実家や親せきの中にもワイン造りに従事する者がいない恵まれない環境下で、経験を積みながら現場で学んできた実直な努力家、それがマルク・イサールです。
今回ご紹介しますプロジェクトLa Maldición(ラ・マルディシオン)は、醸造コンサルタント業を行なっている中で、マルクが妻と立ち上げた自分自身のためのプロジェクトです。
華々しいワインの世界から一線を介し、マドリッドに伝わる昔ながらの品種と醸造方法とセラーで造った飾り気のないマルクらしい真のワイン。
伝統的であるはずなのに新鮮で洗練されています。
コマンドGでの経験を終え、ベルナベレバ(マルクがパートナーと一緒に技術的なコンサルティングを行うセラー。ボデガ・マラニョネスと同じマドリッド西部San Martín de Valdeiglesias/サン・マルティン・デ・ヴァルデイグレシアス村に拠点があります)に戻り、日常生活に余裕ができると、もう一度土壌や自然、農業との接点を取り戻したいという思いが強くなっていったマルク。
DOヴィノス・デ・マドリッド南東部のブドウ畑に縁があり畑に戻ることを決意、新しいプロジェクト“La Maldición(ラ・マルディシオン)”を2013年に立ち上げます。
最初の数年は借りた畑で収穫したブドウと近隣の信頼できるブドウ農家から買ったブドウで、先述したOruscoの醸造所を間借りしてワインを醸造しますが、2019年、ようやく念願の自身のボデガ、シンコ・レグアスを同DO内のサブゾーンであるアルガンダに設立します。
スペイン語で”呪い”を意味する“ラ・マルディシオン”には、2つの重要な意味があります。
①畑は、住居がある村からは遠いところにあり、呪いは畑までの道のりを往復することにちなんでいます。
かつては、毎日、自分の足で歩いて畑まで行き、夏は気温が40度近くまで上昇する中、早朝から夕方まできつい畑仕事をし、また歩いて帰る。それはまるで何かの呪いにかかったようでした。
②この地区のワインは、長年マドリッドの大衆食堂のハウスワインとしてマドリッドの人々の喉を潤してきましたが、近年リオハやリベラ・デル・ドゥエロ産のワインが有名になるに従い、この地域のワインは忘れ去られ、ワイン造りの伝統も廃れていっています。
ブドウ生産者はコーペラティボ(協同組合)に廉価でブドウを売るしか道がなくなっていき、DOヴィノス・デ・マドリッドの名を持ちながらもアペラシオンらしさを訴える個性に乏しく注目を浴びることが少ない。乾燥、夏には極度の高温、冬の厳しい冷え込みという厳しい気候条件に加え、経済的な貧困条件が重なり、人々は農業から離れて都会へと移住していきます。
スペインの農村部各地が抱える深刻な”過疎”が進んでいます。
残された人々だけで畑を管理することはさらに難しく、除草剤や殺虫剤の使用が増加。
そしてスペイン政府からの補助を頼りに、生産量の低い古い畑のブドウ樹は引き抜かれ、代わりに穀物が栽培されていく。
このようなマドリッド周辺のワイン造りを取り囲む”呪い”を解きたい、マルクが動き出した最大の理由です。
DO Vinos de Madrid (DOヴィノス・デ・マドリッド)には、4つのサブゾーンがありますが、そのうちの一つ南東部Alganda(アルガンダ)のBelmote de Tajo(ベルモンテ・デ・タホ)村にオフィス兼住居が、Chinchón(チンチョン村)村にマルクのボデガはあります。
このサブゾーンには全部で28ボデガが登録されております。
ここにはテンプラニーリョ(赤)とマルヴァル(白)の古株が多く残されており、マルヴァルの土壌はその大部分に石灰質、区画によってはチョーク質の蓄積があります。
テンプラニーリョの土壌は砂礫質の混合した粘土質。気候は大陸性気候で、夏は高温と乾燥が進み、冬の冷え込みも厳しい。年間降雨量は460mm。
同DO内でも、最も栽培面積の広いサブゾーンで、マルクの畑はアルガンダ内のヴァルデラグア村、コルメナール村とベルモンテ・デル・タホ村に主だった区画が集中しており、標高716~780mのヴァルデラグア村には、テンプラニーリョの古い畑が残っております。
ベルモンテ・デ・タホ村の標高733mの付近には、マルヴァルとアイレンの白ブドウの古い畑があります。
どちらの村にも、多くの生け垣や段々畑が連なっているためにできた複雑な傾斜があり、地表を多くの石灰質の石が覆っています。
これらのブドウでラ・マルディシオンでは、3タイプのベースとなるキュヴェを醸造しています。
標高700m以上の畑のテンプラニーリョと白ブドウ(マルヴァル)をブレンドしたティント・バルディレチャ。
樹齢60年のマルヴァルのみで造るマルバール・バルディレチャ。シングルヴィンヤードのテンプラニーリョでつくるグレバ・デ・アルシーリャ。

マルクがこのプロジェクトを興したもう一つの理由は、この地域の風景、働いている人々をワインを通じて知ってもらうこと。
口当たりがよく、食事にも合わせやすい、料理がより一層美味しく感じられるようなワインを目指しています。
この土地に伝わるテンプラニーリョとマルヴァルにこだわり、この土地ならではのワイン造りに徹底。
家族に伝わる大切な古い畑を守り続ける頑固な老人や家族と対話を重ね、彼らのブドウを正価で買い取ることで、ブドウ生産家を支援し、その伝統が消えることがないよう努めています。

《DOヴィノス・デ・マドリッドのサブゾーン 残りの3つ》
・Navalcarnero(ナヴァルカルネロ)
5ワイナリーが登録されています。総栽培面積1694ha。
マルケス・デ・グリニョンという、男爵の称号を持つセレブなワイナリーがあります。マドリッド首都圏の中部に位置します。
・San Martin de Valdeiglesias(サン・マルティン・デ・バルデイグレシアス)
18ワイナリーが登録されています。総栽培面積1575ha。
先述したコマンドG、マラニョネス、ベルナベレヴァがあります。DO西部に位置します。
・El Molar エル・モラール1ワイナリーのみ登録されています。総栽培面積600ha。
最近DOに加入したエリアで、標高があることと、スレートの土壌が特徴的です。
※栽培品種は、赤はアルガンダのみがTINTO FINO(ティント・フィノ)と呼ばれるテンプラニーリョ、他の3エリアはガルナッチャです。
白はサン・マルティンのみがアルビーリョ種を栽培しているのに対して、他の3エリアはマルヴァールが栽培されています。

(インポーター様資料より)

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