Ciutats Garnatxa Blanca / シウタッツ・ガルナッチャ・ブランカ 2021

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醸造方法

9月10日収穫/空気圧搾
200hlのステンレスタンクで19日間発酵
ステンレスタンクで5ヶ月熟成
濾過あり・清澄あり
SO2は発酵時:80mg/L 瓶詰め前:60mg/L トータル:112mg/L

ワイン情報

プリオラートやテラ・アルタで学んだウリオルがコンサルタントとしてプロデュースするシリーズでシウタッツはCityの意味です。
クリアなグリーンがかったライトイエロー、爽快なライムやレモネードの香り、軽快でフレッシュなアタックにミネラリーな中盤、柑橘のほろ苦さをアクセントにスッキリとしたアフターを迎えます。

生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)

生産者Oriol Perez de Tudela(ウリオル・ペレス・トゥデラ)は、カタルーニャ州タラゴナ県北西部、ビラべリャ村の出身です。
(バルセロナから車で1時間半ほど南下。ペネデスとコンカ・デ・バルベラのちょうど中間程です。)
小さい頃の思い出といえば、叔父の畑を走り回っていた事というほどで、小さい頃からブドウ栽培に親しんできました。
この地域では今でもコーペラティブの影響力が強く、収穫されたブドウは主にコーペラティブに売られます。
(コーペラティブに売らないと”非国民”と呼ばれる、という老人もいるほどです。)
土地が広く気候の安定したタラゴナ県(及びスペイン全土)のブドウの価格は下落する一方で、ワインで生計を立てるつもりのなかったウリオルは、大学では哲学を学び小さな新聞社に就職。
ジャーナリストとしてキャリアをスタートさせます。
ところが、スペインバブル崩壊の影響から不況が続き、新聞社からは給料未払いが続いたため退職。
その後外資の電気通信会社の営業職に再就職します。毎日サンプルを担ぎながら顧客訪問する日々。
お金のために、好きでもない通信機器を売る生活は、経済的には安定していましたが、精神的にはそれまでで一番辛かったとウリオルは語ります。

2000年にウリオルの人生を変える2つの出来事が訪れます。
1つ目は、ワイン産地プリオラートの変身です。
プリオラートは、ウリオルの生まれた村から車で1時間ほどと比較的近くに位置します。
当時プリオラートは、過疎の進んだ古い村として知られていました。
人手がなく、除草剤に汚染された古いブドウ畑が、厳しい傾斜に点在するだけの村でした。
それまで濃厚、アルコール度の高いどっしりとした粗野なワイン造りを行なってきたプリオラートに(当時はフランスワインのアルコール度と色付けのために、主にフランスに輸出されていました。)、
リオハ出身で自分のワインを造るための新天地を探していたアルバロ・パラシオス、スペイン市民戦争後に自分の土地と名前が奪われた為に新しい土地とセラーを探していたレネ・バルビエールを代表とする4人組が到着し、ワイン造りを始めます。
樹齢の高いブドウ樹から収穫された凝縮感のある果実を、フランスで学んだ醸造方法で醸したワインは、米国ワイン・アドヴォケイト誌で高得点を獲得します。
国際的に注目を浴びたこの産地は、スペインワイン業界の強力な追い風となり、技術の発展・投資に大きく貢献します。

2つ目は彼の息子の言葉でした。
当時まだ幼稚園くらいの小さな息子が、”パパのお仕事なに?”と聞いてきたそうです。
この何気ない質問に、ウリオルは返す言葉が無かったと言います。
誇りを持って息子に話すことのできない仕事をこなす自分。自分に正直になれない事。
この気持ちが心の中で大きくなるのを感じ、本当に自分が好きな事は何かを模索し始めます。
そしてたどり着いたのは、自分が生まれた土地に寄り添った生き方、つまり小さい頃の思い出「畑を楽しく走り回る自分の姿」でした。
生命を感じることのない機械やシステムから離れ、自分の生まれた土地ともう一度繋がること。
そしてプリオラートの変化を目撃し、これから湧き起こるスペインワイン業界の潮流に乗りたい。
自分の気持ちに気が付くといてもたってもいられなくなり、当時上り調子のプリオラートと、当時まだ無名だったガルナッチャの宝庫テラ・アルタにワイン造りを学ぶため通い詰めたそうです。

プリオラートやテラ・アルタでワイン造りを学ぶ中で、ウリオルが気づいたことがあります。
スペインワインが世界から注目を集め始める反面、スペインの人々の食卓からワインが消え始めていた事です。
70年代、スペイン人1人当たりのワイン年間消費量は80Lでした。それが80年代には60Lになり、90年代にはその半分の40Lに減少。
2005年には25Lまで落ち込み、現在は個人のワイン年間消費量は10 ~ 15L程と言われています。
スペインの大衆的なレストランやバル、自宅で飲むワインは、いまだに”グラネル”と呼ばれるバルクワインが一般的です。
近くのワインショップにペットボトルや空き瓶を持参し、大きな樽やタンクからワインを移します。
レストランではランチメニューの値段にワインが既に含まれており、ボトルがテーブルに置かれ、好みによってソーダで割って飲みます。
ワイナリーやコーペラティブの中には、訪問客にタンクから直売しているところもあります。
この消費形態が“かっこよくない”、”ワインがおいしくない”という理由で減少しており、年間消費量の減少へも繋がっています。
ワインの人気を取り戻すためには、フォーマットやデザイン、コミュニケーション方法を変える必要があるとウリオルは考えています。
ペットボトルに廉価な地ワインを入れるのではなく、個性のあるワインを厳選し、スタイリッシュなデザインのバッグインボックスに入れることで、若い消費者の注目を集めやすくする。
バッグインボックスには、品質も保持しやすいという利点もあります。
また、ペットボトルやリサイクルボトルではなく、パッケージングし、商品名をつけることでブランドとして確立させること。
これらの点が、ウリオルのプロジェクト“El Vi a Punt(エル・ヴィア・プン)”の出発点でした。
750mlボトルのワイン名“CIUTATS(シウタッツ)”は、“CITY”を意味し、ガルナッチャは昔から町の人々に愛飲され続けていることからこのネーミングになっています。
BIBのワイン名SINE(シーネ)は、ラテン語のフレーズ”SINE QUA NON(シーネ・クア・ノン/それがなければ成り立たないもの)”に由来しています。
共にスペインの生活・食卓になくてはならいものであったワインを再び身近に感じて欲しいという気持ちが込められています。

ウリオルはDOタラゴナに自社ブドウ畑ももち自家栽培・自家醸造のワインも作っています。畑はビオ、醸造もナチュラルワインのそれです。
しかし今回まずご紹介いたしますのは、彼がコンサルタントとして入りプロデュースしているエル・ヴィア・プン・シリーズの750mlボトルのCIUTATS、BIB(3L)のSINEの白ワインと赤ワイン、いわゆるネゴシアンのカテゴリーです。
地中海らしさ、ブドウ畑と品種の個性が十分に発揮されたワインであること。
スペイン語の”tipicidadティピシダ(”典型”の意味)”という単語で表現される、らしさ・個性を重視してワインを選んでいます。
ブドウの品種や栽培地の気候および地理的特徴が良く表現されたワインである事。
地中海沿岸で造られたワインは、ポテンシャルと果実の成熟感だとウリオルは語ります。
これらの特性は、自生品種にくっきりと表れていると考えます。樹齢30~ 40年の畑(自生品種の平均樹齢)からは、その特性である成熟感・酸味・フレッシュさのバランスがよく取れたブドウが収穫されます。
ロンドン(イギリス)のテートギャラリーのソムリエからも、“個性がはっきりと主張されたワイン”と好評価をうけています。

2006年のプロジェクト・スタート以来、ウリオルはタラゴナに拠を置くコーペラティブ数軒と15年以上仕事をしてきました。
高品質で生産量が安定し丁寧なワイン造りを行う、比較的小さな経営規模のコーペラティブの造るワインは、個性がはっきりとしています。
CIUTATSとSINEにはオーガニック栽培で丁寧に育てられたブドウを厳選し、自生酵母で自然発酵を行うことでよりテラ・アルタらしさを追求しています。
醸造家も“ブドウの個性を引き出すには天然酵母に限る”をモットーにしています。
白ではテラ・アルタで栽培されたガルナッチャ・ブランカを使い、ガルナッチャらしいボリュームのある口当たり、柑橘系のフレッシュさがしっかりとアピールされています。
アフターにはハーブのような微かな苦味が感じられ、果実味と好バランスです。ストラクチャーがあり酸味もしっかりしているため、品質が劣化しにくくなっています。

今はタラゴナに住み畑と醸造の毎日のウリオルですが、バルセロナ中心地のアパート街に自分の小さなオフィスをもっています。
毎年そこでスペイン中のナチュラルワインを50種類ほど彼と試飲をするのですが、多くを語らず鋭い視線でメモを走らせます。
好奇心は非常に旺盛で日本市場にも興味津々、試飲時のぼくら日本人の微細な反応も見逃さない観察眼の鋭さも持ち合わせています。
毎回、次男か三男であろう小学生ほどの息子が途中で遊びにくるのですが、お父さんが大好きなようで彼がオフィスにいるときは必ずついてきてるようです。
ウリオルの息子への視線は試飲時の鋭い視線とは全く別物、その視線をみてこちらもHappyな気持ちになり気のせいか部屋も暖かくなった気がした(気持ちが暖かくなった)事はよく覚えていま
す。

(インポーター様資料より)

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