Paso De Cebra / パソ・デ・セブラ 2018

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醸造方法

8月8日収穫
除梗後、垂直式圧搾機でプレスステンレスタンクで発酵(マロラクティック発酵あり)
フランス産のフードルで熟成
無濾過・無清澄
瓶詰め:2019年8月5日

SO2は収穫時:0.3mg/L 熟成中:20mg/L 瓶詰め時:20mg/L トータル:101mg/L

ワイン情報

キュヴェ名は横断歩道の意味です。
18年は冷涼で畑の状態も良く熟成が例年より遅く、鳥に食べられないように早めに対策を取れたので理想的な収量を得られました。
アルビーリョをステンレスタンクで発酵しフードルで熟成しました。
イエローが強いライトグリーン、夏みかんやハッサク、ディルの香り、まろやかな口当たりに綺麗な酸味とビワの酸味・ほろ苦さ・甘味が合わさった果実感、中程度の余韻が心地良いです。

生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)

スペイン指折りのワイン銘醸地グレドス。
その中心地セブレロスの村は、スペインの首都マドリードの北に位置するグレドス山脈の中の北側にひっそりと隠れるように存在する。
グレドス山脈はカスティーリャ・イ・レオン、いやスペインの中でも有数の山脈でマドリッドからポルトガルまで連なっている。
この山脈がセブレロスのブドウ畑にマイクロクリマをもたらしている。銘醸地グレドスの北側はアルベルチョの谷とよばれ、夏は非常に暑く冬は非常に寒い。
畑はなんと標高1200mのエリアにまで点在する。
セブレロス生粋の生産家ルベン・ディアスは、小さい頃からこの土地の栽培方法、伝統的な醸造方法、そしてワインに親しんできた。
自分の半分はガルナッチャでできている、 と言い切るルベンはコマンドGやマルク・イサールといったカリスマワイン醸造家からも一目置かれる、職人のような雰囲気が漂う造り手である。
(※グレドスの南側はティエタルの谷とよばれ、夏はそこまで暑くなく冬もそれ歩で厳しい寒さではない。)

グレドス山脈にあるセブレロス(村名並びにサブゾーン名としても使用されている)は、アビラ県、トレド 県、スペインの首都マドリードの間に位置し、全部で35の小さな村々で構成されている。
飲み手の心を揺り動かす品種と土壌。
近年スペイン・世界中の注目を浴びる生産地として知られるようになったが、かつてはグレドス山脈にひっそりと佇む過疎の進んだ小さなー農村にすぎなかった。
首都マドリッドからは車で1時間ほどとそれほど離れていないが、都会の喧騒を離れ、豊かな森林の中を通るカーブの厳しい山道を走り抜けると、空が掴めてしまいそうなほどの高さにあるセブレロスの村にたどり着く。
生粋のセブレロス人ルベン・ディアスは、この小さな山間の村で生まれ育ち、小さい頃から家族の所有するブドウ栽培を手伝ってきた。
大学でマーケティングとデザインを学び、しばらく広告会社で働いたが、都会での生活が息苦しく感じられセブレロスに帰り自然の中で生活することを決心。
この村でできる仕事は非常に限られていたが、それまでの経歴を生かしフリーランスの仕事を続ける傍ら、家族の所有する畑の手伝いを始める。
家族や近所に住む老人の手伝いをしながらセブレロスの土地や昔からの醸造方法を学び、文献を辿り、すでに忘れ去られた栽培・醸造方法を再発見していく。

この小さな農村がワイン生産地として特別視されるのにはいくつかの特徴的な理由がある。
猛暑と寒冷の典型的な大陸性気候に、少しだけ地中海性気候の影響を受ける。
そして畑は標高650~1200mの超高標高に位置し、東にあるさらに高い山から冷たい風が吹きおろしワインにフレッシュネスを与える。
黒ブドウはガルナッチャが高標高の位置に、白ブドウはアルビージョにくわえシャスラがこの地区としてはやや低い位置である標高650mあたりに植えられている。
かつての農家は7月下旬から8月上旬にアルビーリョから収穫してそのブドウを売り、その収益でガルナッチャ収穫のための人を雇っていたそうだ。
この地区の土壌は花崗岩が主になり、トップソイルは砂礫状になった小石が見られるスレート。
このトップソイルは主に高標高に位置しガルナッチャが植えられている。
ルベンの畑にはもちろん化学薬品が散布されることはなく、馬を使って耕作し、何も足さない・何も引かない自然のままの栽培方法を行っている。

伝統的な醸造方法である長期マセレーション(45日程)や、白ワインにはベロ(フロール)と呼ばれる産膜酵母が張ることも彼のワインが特徴的である要因だろう。
白ワインも赤ワインも非常にフレッシュで非常にキメ細やかで集中力があり、魅力に富んでいる。
しかし、そのラインナップで最も特徴的なワインはVino de Fiestaとかつて呼ばれていた小樽で仕込むアルコール度数が高いワイン達だろう。
1920年頃にコペラティヴが出来る前は、セブレロスの地では各ファミリーがそれぞれワインを造っており、
毎年出来たワインの中でBestな樽を選びそれをシェリー造りで用いられるソレラシステムに似たサカ(樽から樽へと新しいワインを継ぎ足していく熟成方法)を経て、
有酸素熟成で各家庭オリジナルのワインを造っていたそうだ。
裕福な家庭はそのベストな樽を地下に置いてベロ(産膜酵母)をつけた熟成をさせていたが、貧しい家庭は屋根裏に樽を置いていたそうだ。
そこでは水分が蒸発してしまうのでアルコール度数が17~ 18%にまで上がるワインができ上がる。
酒精強化は一切しておらず、熟成において自然にアルコール度数が高められた形だ。
貧乏スタイル(Tonnels de Patio)とも呼ばれたそうだ。
ルベンのラインナップではサプライズ(外来品種であるシャスラで造られる)、ラ・ソルプレッサ(スペイン生まれの品種アルビーリョまたはガルナッチャで造られる)といったキュヴェ達がこれにあたるが、この醸造・熟成方法は老人の家に放置されていた古い樽を見つけたことがきっかけで学んだ造り方。
かつては村祭りに持参したり、お産や手術でお世話になった担当医に贈るプレゼントとして使われていたそうだ。
セブレロスを知りぬいたルベンだからこそできた豊かで複雑で長い歴史を感じずにはいられない至極の逸品。
初訪問時には両掌で持つことができる超極小サイズの樽に残る200年熟成の甘口ワインも数滴試飲させて頂いた。
ルベンより40歳も年がはなれた地元の大先輩より託された樽だそうだ。思わずウルウルしてしまった。
スペインのど真ん中、山間地グレドスの小さな村で造られる唯一無二の個性をもつワイン達。長い旅を経てついに日本上陸です。

※シャスラ(この地でのシノニムはDore/ドレ)スイスに移民した人たちが持って帰ってきたと言われているが、実はトロやアンダルシアなどスペイン国内のいくつかの地でも栽培されているそうだ。
しかしシャスラと認識せずに作っている人も多いらしく混醸されることが多くシャスラ単一で造っているエリアは少ないそうだ。

(インポーター様資料より)

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