巷で話題の夜虎に潜入
お昼時に行列ができる伝説の担々麺(現在は火・木・金のランチのみ)で大人気の東日本橋の名店『虎穴』。 ディナータイムは予約制の隠れ家。落ち着いた雰囲気で店主の絶品おまかせコースとナチュラルワインが堪能できる。
食材の良さがと店主のセンスが光る上質中華料理
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少し早くお店に着くとオーナーシェフの小松仁さんが、厨房で新鮮な魚を捌いている。 産地で旬の鮮度抜群な食材と上質な調味料。こだわりなど多くを語ることはないが、カウンターの客席から丸見えの厨房からは、誤魔化すことなど何もないという仁シェフの誠実さを感じる。
海鮮の小皿たちと合わせる本日の1本目、サヴォワのアルテス
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友人と3人で話に夢中になりながら選んでもらったボトルがこちら。サヴォワの女性生産者フランス・ゴンザルヴェス。デ・プロメスはブルターニュの王妃の名称で求愛の言葉だそうだ。彼女自身も恋人に言われた経験があることから思いついた名前。そのまろやかでフルーティー旨みも感じる至福のボトルを分かち合いながら、旬の白子のネギ山椒ソースをあっという間に平らげ、蛸の生山葵和えをいただく。カウンターの向こうには大きくて新鮮な生山葵が転がっていた。
des Promesses 2022/デ・プロメス
生産者:France Gonzalvez
生産地:フランス サヴォワ
品種:アルテス
ワインの肴の点心
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虎穴名物の点心はどれも逸品。蒸し物か、焼き物か、揚げ物か…
期待に胸を膨らませる私たちの目の前に運ばれてきたのは『春子鯛(かすごだい)の春巻』
帆立と大根餅
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自家製の猪の腸詰が入った大根餅の上に大ぶりの帆立。斬新な組み合わせでしっかりとした歯応えの大人の大根もち。帆立の旨みに重なる猪、赤ワインへの誘いの構成。好みを伝えてご提案いただいたボトルから、2本目はフランンス・アルザスのPinot Noir Andre Kleinknechtに決めた。
もち豚肩ロース油淋ソース
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続く肉料理は、もち豚肩ロース油淋ソース、ケールを添えて。この後は、ご飯ものか麺類のいずれかが続く。今回は虎穴特製スパイスカレーをジャスミンライスで。
16年目の『虎穴』
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「虎穴(フーシュエ)という名は、かっこいい名前にはしたくなかったので、なんか抜けていていいなっと1時間くらいで決めた」と小松さん。虎穴といえば『虎穴(こけつ)に入らずんば虎子(こし)を得えず』。あえて身の危険を冒さなければ大きな成功は得られないという例えである。実はなかなか格好良い。無骨なまでに人間味を感じる店主を慕い、グルメな常連達が多く来店するのも頷ける。
あたりまえの良い食材とナチュラルなワインと
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Danson Jusqu’aux Reves 2013/
ダンソン・ジュスコー・レーヴ
生産者:Anders Frederik Steen
生産地:フランス ローヌ
品種:ピノグリ
Bois sans Soif 2020/Bois sans Soif 2020
生産者:Les Vins Contés/Olivier Lemasson
生産地:フランス、ロワール
品種:ムニュピノー 50%、シュナンブラン50%
Les Lendemains qui Chantent Le Temps des Cerises /
レ・ランドマン・キ・シャントゥ ル・トン・デ・スリーズ
生産者:Le Temps des Cerises (Axel Prüfer)
生産地:フランス、ラングドック
品種:グルナッシュ
さりげなく本質を貫く居心地の良い空間
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強い主張を言葉にぜずとも、店内の室礼からも小松シェフの審美眼が感じられる。
何気なく耳に届くBGMも彼が「なんとなくJazzyな曲を選曲した」というオリジナルのプレイリストだ。
料理と器
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もうひとつ特筆すべきことを忘れていた。虎穴の料理は尖った中華なのに、居心地や馴染みの良さを感じる理由は、料理と器に日本特有の美学が垣間見られるからではなかろうか。懇意にされている陶芸家、辻村 塊さん、そのお父様の辻村史朗、工芸家の松崎さんなどの、器達も、さりげなくここでの宴を演出しているのだ。16年目を迎える虎穴での予約制のおまかせディナー、次回は誰と来ようか…
Interview / photo / text
山脇ミチル | Michiru Yamawaki
虎穴(フーシュエ)
住所 東京都中央区東日本橋 3-5-16 仙石ビル 1F
電話番号 03-6661-9811
営業時間 ランチ営業(火曜・木曜・金曜)
11:30-14:00(担々麺専門店営業)
ディナー 18:00-22:00LO(予約お任せコース)
定休日 月曜+不定休
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