Italia Piemonte / イタリア ピエモンテ
ファビオ・ジェアは地質学者として博士号を取得し、大きな企業に勤めていましたが、200種以上のブドウを栽培・研究していた彼の祖父が亡くなると、その農地を守るために企業を退きました。
彼がワイン造りを始めたのは2009年。イタリアのピエモンテ地方、バルバレスコのネイヴェ地区とアスティ地区に森を含め約2.5haの畑(ブドウ畑は1.8ha程)を所有し、彼ひとりで管理しています。バルバレスコの畑にはネッビオーロ、ドルチェット、バルベーラを、アスティ地区の畑にはグリニョリーノを植え、現在では18種のワインを年によりで5000~6400本程生産。醸造には440Lと500Lの古樽、ダミジャーナ(ガラスの甕)と磁器、彼が開発した陶器、ステンレスタンクを用いています。
化学肥料・薬剤は使わず、銅と硫黄、エッセンシャルオイル、植物を煮出した液を撒くのみ。収穫は手摘みで行い、エンジンを使う機器は極力使用しません。ブドウの枝をワイヤーに固定する際は、金属やプラスチックではなく柳の蔦を使用しています。彼は植物への理解をとても大切に考えており、ブドウの樹を深く観察することからはじめ、長い時間をかけて作業し、できるだけ樹が自由に生きられることを重視しています。
写真家でもあるファビオ。彼のセンスはボトルにも表現されています。ワイナリーの名称La Msòira e’l Rastelを表す鎌とハンマーが描かれたエチケットにはアマルフィの海岸沿いで作られる手すきの紙を使用。エチケットを貼るのも、タグの紐を結びつけるのも、全て手作業で仕上げています。
エチケットには、ボトルを捨てずに再利用してくださいと書かれています。手漉き和紙は意図的に剥がしやすくしてあり、ボトルの再利用が可能です。
ワインを出荷する際、彼はボトルを白い紙で包んでいます。これは光からワインを保護するためです。
ファビオ・ジェアのメッセージ – 2019年入荷限定のタグについて
ファビオは地質学や農業を学ぶなかで、日本において自然農法の師と仰がれる福岡正信氏を尊び、2008年に正信氏が逝去されると同年、愛媛県伊予市の福岡自然農園へ巡礼の旅に訪れました。
2019年に日本へ入荷するワインに限定して、ボトルに提げられたタグには福岡正信氏へ畏敬の念を込めた彼のメッセージが綴られています。
“Nell’anno del mio benvenuto, onorato dal mio amato Giappone per l’accoglienza, dedico questa bottoglia ad uno dei miei primi maestri, Maestro Masanobu Fukuoka”
“私(のワイン)が迎え入れられるこの年に、愛する国-日本から歓迎を受ける事を光栄に思います。そして最も敬愛するマエストロの一人、福岡正信氏にこのボトルを捧げます。”
ファビオのワインを日本に迎えるにあたり、大変寛容に受け入れて頂きました福岡大樹氏、そしてご家族の皆様へ、ファビオ・ジェアと日仏商事スタッフ一同、心より感謝申し上げます。
インポーター:arcolina