醸造方法
除梗せず、セミマセラシオンカルボニックを行いながら、30hlのセメントタンクで2ヶ月発酵(マロラクティック発酵あり)
セメントタンクでと古樽で18ヶ月熟成
無濾過・無清澄
ワイン情報
伝統的なワイン造りを教える醸造学校の先生を辞めたセバスチャンが花崗岩と粘土石灰に植わるシラーをセミマセラシオンカルボニックで発酵し、セメントタンクと古樽で18ヶ月熟成、SO2無添加で瓶詰めしました。
紫を帯びたルージュの色調、カシスやスミレのアロマを感じます。
色や香りとは裏腹に優しく涼やかな印象が続き、プラムや巨峰を頬張った時の心地の良いタンニンが特徴です。
生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)
2014年5月、サンジョゼフでナチュラルなシラーを造りだす男がいるという噂を聞きつけ、私たちは北ローヌ右岸の風光明媚な主要都市、タン・レルミタージュへ車を走らせました。
川沿いの大きな駐車場で待ち合わせをし、現われたのは熊みたいな男セバスチャン・ヴァイマンでした。
軽くあいさつを済ませるとタン・レルミタージュの丘の中腹にある洞窟へ案内してくれました。
その中は醸造所になっていて、ひんやりとしています。ここでまず彼の来歴をインタビューしました。
1972年ジュラで生まれた彼はアルボワの農業学校でワインの販売を学んだ後、25歳までコニャックでワインの醸造と栽培のインターンシップを受けました。
より醸造のことを体系的に学びたいと思った彼はディジョンの学校へ30歳になるまで通い、その後1年間アメリカとカナダを自転車で旅して回り、各地のワイン造りを視察しました。
帰国後、アルザスのジャン・ミッシェル・ダイスの元で半年間働き、ナチュラルワインへの志向を深めていきます。
ワイン造りの現場を体験し知識を深め、2003年からタン・レルミタージュのCFPPA(農業促進・職業訓練センター)でワイン造りに関する教鞭を振るいながら自身のドメーヌの立ち上げへの準備を始めます。
2005年には弊社取扱のマチュ・バレーと出会い、マチュが造っていたネゴスラインの醸造を任せられるようになり、北ローヌの生産者や栽培家との関係を深めていきます。
そんな中2009年、そのネゴスラインのブドウを造っていた栽培家が引退するのを受け、ようやく0.9haのサンジョセフの畑を手に入れられました。
2010年にそこで取れたブドウでファーストヴィンテージAOCサンジョセフLes Montas(レ・モンタ)をリリース、2013年に借り畑も含めて3haになったところで教師を辞めることを決意し、2014年からはヴィニュロンとして独り立ちしました。
現地で試飲をしてみるとどのキュヴェも果実味とほろ苦さ、柔らかな酸がワインの中で綺麗に溶け込みスルスル飲める印象に驚かされました。
そもそもなぜ学校でトラディショナルなワイン造りを教えていたにも関わらず、オーガニック栽培をし、すべてのワインをSO2無添加で仕上げているのかを尋ねると、
「仕事とプライベートは別だよ(笑)ナチュラルワインにはまったきっかけはアルボワの学校時代に出会ったジュラのドメーヌ・ド・ラ・トゥルネルのパスカル・クレレの影響なんだ。
パスカルは10歳年上だけれどもナチュラルなワインをたくさん飲ませてくれたんだ。
今もアルボワのお父さんと慕っているし、ワイン造りで目指すところのベースになっているね。」と答えてくれました。
「これからもシラーが抜けたところにルーサンヌやシャスラ、リースリングを混植するなど自由な発想でワインを造りたいね。」とニコニコしながら話してくれたセバスチャン。
レストランで食事をした後にご自宅の地下のカーヴにお邪魔しましたが、そこにはなんと5000本以上のワインのストックがありました。
その中から何本も開けてくれ、一つ一つのワインをしっかりと説明してくれたのが印象的で、彼のワインに対する情熱を痛感することが出来ました。
これからも情熱を持ちながら自由な発想で造る彼の将来が、楽しみでなりません。
※ちなみにセバスチャンの奥様Lucie Fourel(リュシー・フォレル)とは、2005年に教師と生徒の関係で出会い、リュシーは2010年よりクローズエルミタージュでDomaine de Lucieを立ち上げてビオの造り手として活躍しておられます。
(インポーター様資料より)