Spain Galicia / スペイン ガリシア
生産者 べゴーニャ・トロンコソ
自然派生産者が増えているスペインだが、湿潤な気候で病気が発生しやすいバスク、ガリシア地方ではまだ僅かしかいない。その中でついに探し当てたのが、ビオディナミで地道なぶどう栽培を行い、醸造についても亜硫酸を一切使用しないワインを造り始めた、アルバリーニョの産地で有名なリアス・バイシャスの生産者である、べゴーニャ・トロンコソである。
ベゴーニャの小さいワイナリーは、500mも南下すればミーニョ川を越えてポルトガル領となる、アルボ村。この地は、リアス・バイシャスのエリアでも最も南に位置するサブリージョン”コンタード・デ・テア”に属する。
家庭の事情で2006年、ベゴーニャは帰郷。ここで、パートナーであるマヌエルの家族が所有する1.5haのぶどう畑を耕作することに。2009年にビオディナミ講座を受けたことが転機となり、ビオディナミでのワイン造りを開始した。
花崗岩土壌に植わる3haのぶどう畑で、標高約100mの畑に植わる樹齢10-70年のぶどうから、3000kg/haととても収量を抑えた栽培を行っている。この地は、冬は温暖な大西洋気候で、ぶどうの成熟期には降雨が多く(平均1500mm/年)、雨上がりは好天となり夏季は一気に気温が上がる。つまり、うどん粉病のリスクが非常に高い。
ベゴーニャはこれら問題に対し、ビオディナミで対処している。特別な部屋を用意し、そこで野に生える様々な植物を乾燥させビオディナミの調合財(プレパラシオン)をつくり、ぶどうの木を手当てし、土壌の生命力を高めている。
そして彼女の知識とエネルギー、前向きさが、彼女のワインにも反映されている。ワイン名「シャンガル」とは、ベゴーニャのワイン造りの考え方である「注意深い」「愛情深い」という意味。僅かな粉末銅と硫黄以外には、化学合成物質や肥料は一切使用せず、自分たちで栽培するイラクサ、ユーカリ、ニワトコ、コンフリー、セージを使った調合剤でぶどうの樹を手当てしている。まさに、この難しい地で、愛情をかけ注意深く育てたぶどうを使い作られたワインである。
インポーター:ラヴニール