醸造方法
収穫地:北海道上富良野町
垣根仕立(コルドン)一部下垂型誘引
収穫日:2019年10月10日 手摘み
除梗80%、全房20%
野生酵母
圧搾機による低圧プレス。
圧搾後のアルコール発酵と、野生の乳酸菌発酵を経て樽詰め。
ステンレスタンクでの醸し14日間。
フレンチオークの古樽。
14ヶ月熟成後瓶詰め。
無濾過 清澄剤不使用。補糖補酸なし、SO2無添加。
ワイン情報
レラ・カントとはアイヌ語で天空の風という意味。
トミハラヴィンヤードはその名の通り心地よい風の吹く南西斜面の小高い丘に位置します。化学肥料や農薬に一切頼らず、ビオディナミという農法に基づいて栽培されたトミハラヴィンヤードでは、自然本来の生態系が守られ、様々な種類の植物や昆虫が居て、それを食べるカエルや鳥が集まり、うさぎやエゾシカも遊びにきます。この環境で育ったぶどうは力強く、生命力あふれ、独自のテロワールを表すワインをつくります。
2019年は天候に恵まれ、とても良いぶどうが収穫できました。栽培期間中よく晴れて、夜間ほどよく雨が降ったので、日照時間も長くなり、糖度は高く、凝縮した小粒で、健全なぶどうに育ちました。
外観の濃淡は非常に濃く、色調は紫がかったブラックチェリー。
粘性は優しく、さらりとした口当たり。
香りは華やかで、赤いバラや牡丹の花、スターアニスの様なオリエンタルなスパイスを感じ、シダ植物のグリーンな香りとブルーベリーやカシス香があり、木樽由来のロースト、野性味のあるスパイシーな肉も感じます。
味わいは、アタックが軽めで残糖感が無くドライ、フレッシュな酸とシャープなタンニンがあり、全体的にスマートなボディ。
少しの苦みとミネラリーな塩味が感じられます。
フレッシュ感を楽しむ早飲みタイプでも、デキャンタージュした場合や、空気を抜いて10日頃から、香りもどんどん出てきて酸も柔らかくなりオススメです!
生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)
●ぶどう栽培地の地形と気候
トミハラヴィンヤードは、大雪山系と夕張山地に山方を囲まれた富良野盆地の東側、南西斜面の小高い丘にあります。
春から秋にかけて山の谷間を南風が吹く、昼と夜の気温の日較差と夏と冬の気温の年較差が大きい内陸性気候です。
こうした気候はぶどうの生育に適した気候とされ、近年では生育期間中の降水量が少なく日照時間も長い傾向で、凝縮した健康で良い果実をつけます。
●ビオディナミによるぶどう栽培
ビオディナミを実践し、厳格な自然派ワイン造りを行っています。
バイオダイナミック調合剤を農場で自作し、散布することで畑の環境を整え健康で生命力に満ちた土とぶどうを作っている。
牛糞堆肥にバイオダイナミック調合剤を入れることで良質な堆肥を作成し、さらにぶどうの搾りカスや剪定枝を混ぜて堆肥化して畑に還元し、循環させています。
●山幸の可能性
自然な環境を整え、ぶどうが負荷無く畑の生態系と共存できることが健康で生命力に満ちた果実を付けると考えています。
そのために、地域の気候や環境に 合ったぶどう品種の選定が大切です。
そこで、わたしたちは北海道に自生していた山葡萄のルーツを持つ山幸こそが適格であると考えました。
山幸は粒の密着度が低いバラ房で灰色かび病などの病気に強く、耐寒性があり、冬場雪の中に樹を埋める必要がないことから自由な仕立てができます。
垣根の一番上のワイヤーまで母木を伸ばし、そこから新梢を下に垂らす下垂型誘引を一部取り入れてます。
山葡萄本来の仕立てに近く、ぶどう樹にストレスがない他、遅霜や動物の食害も防げます。
山幸は2020年の12月にOIV(国際ブドウ・ワイン機構)国際品種として登録されました。
●ヴィンヤードのデザイン
畑の排水性を良くするため、暗渠管を入れたりすることがありますが、トカプチでは畑の周りにクルミ、白樺、イタヤカエデ等の樹木を植え排水や風の通りをデザイン。
花の咲く植物を畑の周りに植えることで、様々な虫や動物が集います。
豊富な生態系によりぶどうの害虫のみ大量に発生してしまうことを防いでいます。
また、畑の除草も最低限にとどめ、虫の発生時期からタイミングとバランスを見て行っている。
ぶどうの垣根には防腐処理を行わず、カラマツの表面を焼いた木杭を使用。
畑にはなるべく自然の素材のものを使用し、環境へ配慮。
ぶどうの畝間にはライ麦を蒔き、根を伸ばすことで耕盤層を破壊し、ぶどうの根が地中深くまで入りやすいようにしています。
地中深くまで伸びた根は畑の微量要素も吸い上げ、果実の味に影響を与えます。
その土地ならではのテロワールを表現するワイン造りのための大事な作業です。
(インポーター様資料より)