醸造方法
Cancelli畑 5日間マセ ステンレス発酵
生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)
アブルッツォ州の綺麗に伸びる海岸線の丁度真ん中に位置する海に面した町ペスカーラ。
ここから内陸に20kmほど進むと、程なく到着する小さな村ピアネッラ。
若くしてこの土地の畑を手に入れ葡萄農家の道へと進んだイオーレ・ラバスコは、多くのエノロゴや専門家の意見を聞きながらワイン醸造を開始していきました。
ボトル詰めを開始した当初は、機械や最新技術に頼ったワイン造りを行っていた為、どのワインにもそれぞれの土地の個性が感じられず、それは彼女が本当に造りたい、納得できる味わいのワインではありませんでした。
そんな時、隣接するウンブリア州にあるカンティーナ、コッレカプレッタと出会い、彼らのワインの味わいに衝撃を受けた事で、彼女自身の感覚と考え方を大きく変えていく事になります。
それまで用いてきた醸造用の機械や装置を全て手放し、1つのダミジャーナ(45Lの斗瓶)から新しいスタートを切る決意を固めたのが今から9年前。
ここからラバスコの新たな歴史が始まりました。
ラバスコの畑とカンティーナは、アドリア海からアペニン山脈に向かう途中、海抜300~350mの土地にあります。
点在する畑は全部で10ha。
畑では、化学肥料や農薬は一切使用せず、必要最低限の銅と硫黄を散布します。
また、必要に応じて土地にマメ科の植物による窒素循環を行い養分を補い、ビオディナミで用いるプレパラシオン500番も年に数回畑に散布します。
現在はまだ、このような彼女たち造り手のケアによって畑の調和を取っていますが、葡萄樹を含む畑・土地自らが、しっかりと調和を保てる様になれば、いずれは極力何もしない農業に変えていきたいと考えています。
醸造は極めてシンプルで、全て小さなファイバータンクにてマセレーション、圧搾後ステンレスタンクにまたはバリックで自然酵母で発酵を行います。
ダミジャーナは発酵が完全に終わりきる直前に移し替えを行い、そうする事で発酵中に発生する二酸化炭素が、ワインを酸化と雑菌から守ってくれます。
その後ステンレスタンク・ダミジャーナ・バリックで熟成。
収穫からボトル詰めまでの間、全ての工程で酸化防止剤は一切使用しません。
滓を取り除くフィルター作業も全く行わず、葡萄の純朴な味わいを滓ごとそのままボトル詰めしています。
一から自身のワイン造りを見つめ直し、一から全てを変えた彼女の挑戦は、まだまだ始まったばかりです。
現在のスタイルになって、より自分たちの土地の葡萄を表現することが出来ていると話してくれたイオーレ。
ラバスコの葡萄が育つ土地のエネルギーと自然の力は、彼女が手掛ける事で何倍もの魅力になる事を感じさせてくれます。
遥かなるアブルッツォの土地の力、自然と人間の強いエネルギーを彼女のワインを通して感じていただけたらと思います。
(インポーター様資料より)