kamaraton IGP Paestum bianco / カマラトン 2018

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醸造方法

9月中旬に選果・収穫。
除梗・破砕後、ステンレスタンク内で自然酵母による発酵を行います。
マセラシオンは発酵の間残糖が無くなるまで行います。
その後50%をトノー、50%をアンフォラに移し替えし、澱と共に12ヶ月間熟成。
ノンフィルターで瓶詰め、SO2無添加。

ワイン情報

”カルメンタ”が語源。ローマ神話上ではラテン文字の発明者とされる、出産と予言の女神。
サンタソフィアはアロマティックさ、フィアーノは骨格をワインに与えています。
2017年からはアンフォラによる熟成を行っています。
今後の熟成と共にどう変化していくか、先を見たくなるポテンシャルを秘めたワイン。

サンタソフィア由来のカモミール、蜂蜜の香りにパイナップルなどの南国のフルーツ感がトノーの雰囲気と合わさっています。
セミアロマ付き葡萄ならではの個性が強く表現されています。
彼が主張しすぎず、果実感とのバランスが良く華やかです。
約10日間のマセラシオンにより鋭いタンニンを持っています。
豊富な酸味でタイトな質感ながら、充実した味わい。
生産者曰く、フィアーノが骨格として存在感と味わい深さを担っています。

生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)

カンパーニア州サレルノ県の最南部、バジリカータ州にほど近いトッレ・オルサイアに農園を構える新しい生産者。
当主マリオ ・ドンナベッラは70歳を超えていますが、現在も畑での仕事、醸造を先頭に立って行っています。
元々は付近の苗木などを育て、 販売する家業を行い、家族の生活を支えていました。
ある時、苗木の農園の中に先祖から残された手つかずの葡萄があったことに気が付き、60歳を超えてから新たなチャレンジに踏み出したのです。
2008年に自家消費のワインを醸造、ワイナリーとして本格的な活動をしようとするマリオに家族達は賛同し、特に娘のルアーナとその夫アレッシオはワインテイスティングのコースに通い、彼の仕事を精力的にサポート。
2014年にシルヴァプランタリウムの初VTがボトリングされました。

トッレ・オルサイアはサレルノ駅から海岸沿いに電車で約3時間かかる海の街サプリからさらに車で山を登り30分の場所にあります。
サプリには非常に美しい海と小さな町があり、夏の旅行客でにぎわう知る人ぞ知るリゾート地です。
対してトッレ・オルサイアは山の自然に囲まれた雄大な土地です。
標高300mに位置し、畑は森に囲まれ、草原のように草が生え、セイヨウヒイラギ、ホワイトオーク等の木、チストサルビフォリア、ジネストラといったハーブや花、古代のオリーブの木、山の湧水から出来た自然の池があります。
雨上がりの畑を歩いていると深い緑の香りが強く、自然との境界線を感じさせません。
まるで自然の楽園のようだと第一印象で思いました。
マリオが名付けたSilva Plantariumというワイナリ名にはラテン語で「森の植物園」 という意味があります。
農園の景観にぴったりな良い名前です。
​周辺は山に囲まれ、”チェントリーノ”という山やカンパーニアで一番高い山”モンテチェルヴァーティ”も見えます。
山と海の風に恵まれ、溜め池がもたらす自然な湿度がある好条件のミクロクリマ。
土壌は砂質に粘土、石灰を多量に含んだ構成をしています。

しかし、マリオは土質に対してはその成分よりも”土の上にあるモノ”が重要だといいます。
どういった植物や微生物が存在するのか、それらの状態はどうなのか、元気に生命が育まれているのか。
そこまで考えなくては、土壌の特性は理解できないと考えています。
一緒に農園を歩いている時も彼は葡萄だけではなく、草、花、木、池の水など様々な物の現在の状態を気にかけ、向き合っていました。
ワイン造りや葡萄栽培は最近始めたマリオですが、農園と長年生きてきた経験と知識が随所に感じられ、落ち着いた話し方、説得力など今までの若手生産者とは一線を画していました。
そして自然への愛情の深さと尊敬が非常に強く感じられます。
自然な農業の考えはルドルフ・シュタイナーや日本の福岡正信氏の影響を受けたそうです。

アヴェッリーノやイルピニアなどの有名な産地と違い、ワインの生産者は数えるほどしか存在しません。
ワインを打ち出していくの は非常に困難なエリアと言えるでしょう。
初訪問の際もこんな奥地でワインを造っているとは…と驚きました。
ですが、このエリア ではカンパーニア州の中でも非常に希少な品種を栽培しているのです。
黒葡萄は”アリアニコーネ”、”マンジャグエッラ”、白葡萄は “サンタソフィア”という固有品種を栽培されています。
アリアニコーネはアリアニコの原種にあたるとされており、数年前に大学の研究機関により特定された品種です。
アリアニコと比べて房が大きく広がり、粒が大きく、種のタンニンが少なくスパイシーです。
現在でも5~6生産者しか栽培していない希少品種です。
サンタソフィアはチレントで昔から栽培されている古い品種です。
セミアロマティコに指定されている特徴的な香りを放つ品種で、カモミールや蜂蜜のようなアロマがあります。

​醸造に関しては、トスカーナでフランスの醸造家が開くコースに通い、一般的な醸造学を勉強しましたが、ほぼ独自の考えで自然なアプローチを行っています。
自然酵母発酵、亜硫酸も加えずノンフィルター。
出来る限り自然のままでのワイン造りを行いたいという強い考えを持っています。
発酵に関してはステンレスタンクを使用していますが、熟成は2015年の赤ワインから一部アンフォラを使用。
白ワインも2017年からアンフォラに切り替えていくようです。
理由としては、土から生まれたワインを土に近い熟成容器で熟成させたいという考えだそうです。
アンフォラは中立的な存在であり、ワインへの介入が少ないことも良く、空気との僅かな接触も好ましいから。
今後そのアプローチがどうワインに反映するかも楽しみです。

​マリオはとにかく自然への思いが半端じゃなく強い男。
私たちが訪問 してみた美しい農園も、細部に気を配る彼から見た景色はまた違った物なのかもしれません。
そんな彼を妻マリアとルアーナとアレッシオの若き夫婦達が、南イタリアの家族らしい固い絆で支えています。
愛に溢れた家族と自然の楽園はこれからこの地でカンパーニアのワインの中で新しい歴史を積み上げていくのでしょう。

(インポーター様資料より)

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