醸造方法
10月10日収穫
除梗せず、20hlノクヴェヴリで8ヶ月間醸し・発酵・マロラクティック発酵
果皮を取り除き、液体のみを25カ月間、クヴェヴリで熟成後、20hlのステンレスタンクで熟成
無濾過・無清澄
瓶詰2019年7月5日
SO2は醸し・瓶詰め前、クヴェヴリと瓶を洗浄時のみ トータル:39mg/L
ワイン情報
ジョージア東部カヘティ、ルカツィテリを8ヶ月醸し・発酵・マロラクティック発酵を同時進行、その後液体だけを一度抜きクヴェヴリ底に残った澱を除去(デキュヴェ)し液体のみをクヴェヴリで熟成後、ステンレスタンクで落ち着かせ瓶詰めしました。
オレンジカラー、ゆりや水仙、ナツメグや白胡椒の香り、柔らかいアタックで渋味目立たずバランス良くスムーズな味わいです。
生産者情報
幾つかのワイン産地があるうち、約60~ 70%のワイン生産量を誇るのがカヘティ地方で、現在約500以上の生産者が数えられています。
そのトビリシから北東に約120km、コーカサス山脈の南麓にカヘティ地方Saniore村に5代目となるチョティアシュヴィリ家のワイナリーがあります。
現当主のカハは1980年生まれ、まるで日本人の職人のような静けさを纏った人物です。
カハを筆頭に父母、弟とその家族、カハの妻と娘、家族全員でワイン造りを行っています。
古い一軒家の1階は先々代がワインを造っていたクヴェヴリ(甕)が埋めてあるセラー(マラニと呼ぶ)です。
お祖父さんの時代からワイン造りを始めましたが当時は自家消費用で販売することはありませんでした。
現在でも庭先のブドウで自家醸造する人も少なくないと言い、宴会(スプラ)好きのジョージア人にとってはなくてはならない必需品であります。
2002年にカハはブドウ畑を増やし、同時にセパージュを22品種から現在の32品種まで増やしました。
ここジョージアは「ワインのゆりかご」との呼び名もあり、土着品種の数はなんと525を数えます!
日本のブドウ品種・甲州もジョージア発祥の品種が交配を繰り返した結果生まれたのではと言われています。
特筆すべきは8000年前から受け継がれてきた粘土で造られたクヴェヴリでワインを醸造するという技法です。
純度の高い粘土を1200℃以上で約2週間焼き上げ、内側は蝋でコーティングし、土中に埋めない場合は外側にセメントでコーティングする事もあります。
このクヴェヴリでのワイン造りが2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。
戦乱や苦しい時代を乗り越えながらもこの技法は途絶えることなく現代に受け継がれ、クヴェヴリ職人が存在し、そのクヴェヴリで昔ながらのナチュラルワイン造りを行う生産者達が現地でこっそり盛り上がりを見せています。
カハもその一人で、できるだけ無農薬に近い農法でブドウを育て、酸化防止剤もクヴェヴリやボトルを消毒する目的でのみ使用しブドウ自体には散布しません。
収穫後のブドウをそのままクヴェヴリへ入れ、発酵後に蓋をしスキンコンタクトの状態で熟成します。
その後、違うクヴェヴリに果汁のみ移し熟成、キュヴェによってステンレスタンクや樫樽で更に長期熟成します。
酸化熟成のオレンジワインとは別物で赤同様、白もマセラシオンしたことによりアンバーな色合いに仕上がります。
トビリシの大学でガーデニングやブドウ栽培を勉強したカハは、ジョージアの「ワインクオリティーメイキング」の立ち上げに参与したり、国家試飲委員のテストに合格したほか、現在では様々な学校や大学で学生向けに昔ながらのブドウ栽培や醸造を伝える活動もしています。
そんな活動的なカハですが、我が子には「ヴィティキュルター(ブドウ栽培)」と「ワイナリー」という名の下に付随する責任感を伝えていきたいと話します。
ハーブを多用するジョージアの食卓。
中でもタラゴン(エストラゴン)を多く食べるといい、ハーブに含まれる香気、苦味、渋みなどがジョージアワインに感じられるかと思います。
また、穏やかな酸と心地良いタンニンを伴い和食とも相性抜群、「世界遺産のマリアージュ」を叶えてくれます。
時間と共にワインの味わいが変化するのはナチュラルワインならではです。
「ワイン文化の起源」「ブドウのゆりかご」「古くてそして新しいワインの世界」へ皆様を是非お連れしたいと思います。
(インポーター様資料より)